jigahouboku<自我放牧>

590

2011-11-02「宮沢賢治 いちょうの実」

from ALBUM : 「2011-1120111102 宮沢賢治_いちょうの実
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Pan Guitar x2

Lyrics

No.590「宮沢賢治 いちょうの実」

青空文庫URL : http://bit.ly/rBvaCM

そらのてっぺんなんかつめたくてつめたくてまるでカチカチのやきをかけた鋼です。
そして星がいっぱいです。けれども東の空はもうやさしいききょうの花びらのようにあやしい底光りをはじめました。
その明け方の空の下、ひるの鳥でもゆかない高いところをするどい霜のかけらが風に流されてサラサラサラサラ南のほうへとんでゆきました。
じつにそのかすかな音が丘の上の一本いちょうの木に聞こえるくらいすみきった明け方です。
いちょうの実はみんないちどに目をさましました。そしてドキッとしたのです。きょうこそはたしかに旅だちの日でした。みんなも前からそう思っていましたし...

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