jigahouboku<自我放牧>

614

2011-11-26「牧野信一 駆ける朝」

from ALBUM : 「2011-1120111126 牧野信一_駆ける朝
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Featured Instruments

BluesHarp, Guitar x3

Lyrics

No.614「牧野信一 駆ける朝」

青空文庫URL : http://bit.ly/spfZkO

「苦労」は後から後から、いくらでもおし寄せてくる。どんな風に撥ねかへし、どんな風に享けいれるか? に、思案がいるが、思案の浮んだためしがない。
――早朝に起きる。机に、十八型程の大きさの磁石が載つてゐる。文鎮の代りである。此間まで懐中時計を重しに使つてゐたが、悲しい時には、僕にはあのセコンド針の小刻みの音がとても息苦しくなるのだ――そんなことをはなしたら理学土の友達が苦笑して、これを呉れた。――「これなら安心だらう。引力の続く限り針は……」
なる程僕は、この頃はじめて此処のSとNの方向を知つた。

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