jigahouboku<自我放牧>

693

2012-02-13「牧野信一 嘆きの孔雀」

from ALBUM : 「2012-0220120213 牧野信一_嘆きの孔雀
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Featured Instruments

Piano, Omnisphere, Guitar x2

Lyrics

No.693「牧野信一 嘆きの孔雀」

青空文庫URL : http://bit.ly/wCkh6Q

 随分寒い晩でした。私は宵の中から机の前に坐つて、この間から書かうと思つてゐるものを、今晩こそは書き出さうと、一所懸命に想を凝らして居りました。――ところが余り寒いのでついペンをとる筈の指先は火鉢の上を覆ふやうになつてしまふのでありました。窓の外には目に見ゆる程な寒気の層が湖のやうに静かにたゞずむで居りました。火鉢の上に翳して暖たまつた私の眼で...

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