jigahouboku<自我放牧>

710

2012-03-01「佐左木俊郎 緑の芽」

from ALBUM : 「2012-0320120301 佐左木俊郎_緑の芽
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CleanGuitar x2, Piano, CineOrch, Omnisphere

Lyrics

No.710「佐左木俊郎 緑の芽」

青空文庫URL : http://bit.ly/yRJ8oq

 弾力に富んだ春の活動は、いたるところに始まっていた。
 太陽は燦爛と、野良の人々を、草木を、鳥獣を、すべてのものを祝福しているように、毎日やわらかに照り輝いた。農夫は、朝早くから飛び起きて、長い間の冬眠時代を、償おうとするかのように働いていた。
 菊枝はまだ床の中で安らかな夢に守られているらしかった。父親は、朝飯前にと、近所へ出掛けたきり、陽は既に高く輝いているのにまだ戻らなかった。

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