jigahouboku<自我放牧>

719

2012-03-10「芥川龍之介 舞踏会」

from ALBUM : 「2012-0320120310 芥川龍之介_舞踏会
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HarmonixGuitar x2, HeavyGuitar, Drum, Bass

Lyrics

No.719「芥川龍之介 舞踏会」

青空文庫URL : http://bit.ly/urUV32

 明治十九年十一月三日の夜であつた。当時十七歳だつた――家の令嬢明子は、頭の禿げた父親と一しよに、今夜の舞踏会が催さるべき鹿鳴館の階段を上つて行つた。明い瓦斯の光に照らされた、幅の広い階段の両側には、殆人工に近い大輪の菊の花が、三重の籬を造つてゐた。菊は一番奥のがうす紅、中程のが濃い黄色、一番前のがまつ白な花びらを流蘇の如く乱してゐるのであつた。

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