jigahouboku<自我放牧>

757

2012-04-17「野口雨情 都会と田園:柿の木のエピソード」

from ALBUM : 「2012-0420120417 野口雨情_都会と田園:柿の木のエピソード
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Featured Instruments

Wurlie, CrunchGuitar, Drums, Bass

Lyrics

No.757「野口雨情 都会と田園:柿の木のエピソード」

青空文庫URL : http://bit.ly/HMxW87

背戸の畑の柿が赤くなつて来ると毎日烏が集つて来て喰つてゐた
子供に番をさせて置いても
烏は毎日来た

親父は洗濯竿の先へ
鶏の羽根をぶら下げて
柿の木の傍へ
立てて置いた

鶏の羽根が
ふわふわ動いてゐる
烏は遠くから見てゐて
来なかつた

時折、別な烏が来ても
鶏の羽根が動くとすぐに飛んでゆく
親父も子供も
安心して喜んでゐた

一晩風が吹いた
朝の暗い内から柿の木で烏が鳴いてゐた
洗濯竿が畑の中に倒れてゐる
子供は駈けて来て親父に咄した

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