LyricsNo.462「宮本百合子 道標」青空文庫URL : http://bit.ly/koJDO0からだの下で、列車がゴットンと鈍く大きくゆりかえしながら止った。その拍子に眼がさめた。伸子は、そんな気がして眼をあけた。だが、伸子の眼の前のすぐそばには緑と白のゴバン縞のテーブルかけをかけた四角いテーブルが立っている。そのテーブルの上に伸子のハンド・バッグだの素子の書類入鞄だのがごたごたのっていて、目をうつすと白く塗られた入口のドアの横に、大小数個のトランク、二つの行李、ハルビンで用意した食糧入れの柳製大籠などが、いかにもひとまず... Bookmark |
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