LyricsNo.490「石川啄木 漂泊」青空文庫URL : http://bit.ly/n2Agmm曇ツた日だ。 立待崎から汐首の岬まで、諸手を拡げて海を抱いた七里の砂浜には、荒々しい磯の香りが、何憚らず北国の強い空気に漲ツて居る。空一面に渋い顔を開いて、遙かに遙かに地球の表面を圧して居る灰色の雲の下には、圧せられてたまるものかと云はぬ許りに、劫初の儘の碧海が、底知れぬ胸の動揺の浪をあげて居る。右も左も見る限り、塩を含んだ荒砂は... Bookmark |
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