LyricsNo.499「豊島与志雄 夢の図」青空文庫URL : http://bit.ly/nKKZHY木村は云う――。 物を考え、考えあぐんで、椅子に身を託し、或は畳の上に身をなげだして、なお考え続けながら、いつしかうつらうつら仮睡する者は、如何に多くのものを喪失していることでしょう。その頭の中には、思念の断片、さまざまな心象が、とびとびに明滅しています。仮睡者はそれらを意識するが、捕捉することは出来ません。意識しただけで、取逃してしまうのです。はっきり眼をさまし、立上る時には、頭の中に残ってるものは殆んどなく、ただ空莫としています。 喪失されたそれらの、思念の断片... Bookmark |
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