jigahouboku<自我放牧>

509

2011-08-13「宮沢賢治 気のいい火山弾」

from ALBUM : 「2011-0820110813 宮沢賢治_気のいい火山弾
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No.509「宮沢賢治 気のいい火山弾」

青空文庫URL : http://bit.ly/ow5Pw8

ある死火山のすそ野のかしわの木のかげに、「ベゴ」というあだ名の大きな黒い石が、永いことじぃっと座っていました。
「ベゴ」と云う名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、稜のあるあまり大きくない黒い石どもが、つけたのでした。ほかに、立派な、本とうの名前もあったのでしたが、「ベゴ」石もそれを知りませんでした。
ベゴ石は、稜がなくて、丁度卵の両はじを、少しひらたくのばしたような形でした。そして、ななめに二本の石の帯のようなものが、からだを巻いてありました。非常に、たちがよくて、一ぺんも怒ったことがないのでした。

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