jigahouboku<自我放牧>

527

2011-08-31「芥川龍之介 黄粱夢」

from ALBUM : 「2011-0820110831 芥川龍之介_黄粱夢
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Lyrics

No.527「芥川龍之介 黄粱夢」

青空文庫URL : http://bit.ly/m4LOAp

盧生は死ぬのだと思った。目の前が暗くなって、子や孫のすすり泣く声が、だんだん遠い所へ消えてしまう。そうして、眼に見えない分銅が足の先へついてでもいるように、体が下へ下へと沈んで行く――と思うと、急にはっと何かに驚かされて、思わず眼を大きく開いた。
すると枕もとには依然として、道士の呂翁が坐っている。主人の炊いでいた黍も、未だに熟さないらしい。盧生は青磁の枕から頭をあげると、眼をこすりながら大きな欠伸をした。

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