Featured InstrumentsGuitarLyricsNo.532「浜尾四郎 黄昏の告白」青空文庫URL : http://bit.ly/pme8J6沈み行く夕陽の最後の光が、窓硝子を通して室内を覗き込んでいる。部屋の中には重苦しい静寂が、不気味な薬の香りと妙な調和をなして、悩ましき夜の近づくのを待っている。 陽春のある黄昏である。しかし、万物甦生に乱舞するこの世の春も、ただこの部屋をだけは訪れるのを忘れたかのように見える。 寝台の上には、三十を越してまだいくらにもならないと思われる男が、死んだように横たわっている。 Bookmark |
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