Featured InstrumentsChorusLyricsNo.562「牧野信一 秋雨の絶間」青空文庫URL : http://bit.ly/p43spR一降り欲しいとのぞんだ夏の小雨が、終日降り続いて、街の柳に煙つたかとみると、もうそれは秋雨と呼ばなければならない。軽く軽く絹糸のやうに降つてゐる小雨の音は、小声で唱歌を唄つてゐる綾子の――丁度その雨のやうに美しい音律にも消されて、たゞ静かに白銀の粉末を散らしてゐるばかりである。そしていつの間にか庭の葉末の影から綾子の黒曜石のやうな瞳までを... Bookmark |
« 20111004 横光利一_神馬 | 20111006 宮本百合子_四時の変化と関りのない書斎 » |