jigahouboku<自我放牧>

607

2011-11-19「樋口一葉 雨の夜」

from ALBUM : 「2011-1120111119 樋口一葉_雨の夜
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Guitar x2, Lo-Tom, Oct.Voices

Lyrics

No.607「樋口一葉 雨の夜」

青空文庫URL : http://bit.ly/tngkN1

庭の芭蕉のいと高やかに延びて、葉は垣根の上やがて五尺もこえつべし、今歳はいかなれば斯くいつまでも丈のひくきなど言ひてしを夏の末つかた極めて暑かりしに唯一日ふつか、三日とも数へずして驚くばかりに成ぬ、秋かぜ少しそよ/\とすれば端のかたより果敢なげに破れて風情次第に淋しくなるほど雨の夜の音なひこれこそは哀れなれ、こまかき雨ははら/\と音して草村がくれ鳴こほろぎのふしをも乱さず、風一しきり颯と降くるは彼の葉にばかり懸るかといたまし。

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