jigahouboku<自我放牧>

620

2011-12-02「島崎藤村 路傍の雑草」

from ALBUM : 「2011-1220111202 島崎藤村_路傍の雑草
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Guitar x2, Aco.Guitar

Lyrics

No.620「島崎藤村 路傍の雑草」

青空文庫URL : http://bit.ly/v7gEXA

学校の往還に――すべての物が白雪に掩はれて居る中で――日の映つた石垣の間などに春待顔な雑草を見つけることは、私の楽しみに成つて来た。長い間の冬籠りだ。せめて路傍の草に親しむ。
南向きもしくは西向きの桑畠の間を通ると、あの葉の緑だけ紫色な「かなむぐら」がよく顔を出して居る。「車花」ともいふ。あの車の形した草が生えて居るやうな、土手の雪間には、必つと「青はこべ」も蔓ひのたくつて居る。「青はこべ」は百姓が鶏の雛に呉れるものだと、学校の小使が言つた。石垣の間には、スプウンの形した紫青色の葉を垂れた「鬼のはゞき」や...

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