Featured InstrumentsAco.Guitar x3, Chorus, WestAfricaLyricsNo.730「宮本百合子 一隅」青空文庫URL : http://bit.ly/GCrFOF洋傘だけを置いて荷物を見にプラットフォームへ出ていた間に、児供づれの女が前の座席へ来た。反対の側へ移って、包みを網棚にのせ、空気枕を膨らましていると、 「ああ、ああ、いそいじゃった!」 袋と洋傘を一ツの手に掴んだ肥った婆さんが遽しく乗り込んで来た。 「早くかけとしまいよ、ばあや、そら、そこがあいてるわよ、かけちゃいさえすればいいから……よ」 プラットフォームに立って送りに来た二十七の町方の女が頻りに世話を焼いた。 「ああここにしようね――御免なさい」 前の座席には小官吏らしい男が一人いるだけであったが... Bookmark |
« 20120320 和辻哲郎_ベエトォフェンの面 | 20120322 中井正一_雪 » |