Featured InstrumentsPianoInBlue, OctaveGuitar, Drum, BassLyricsNo.733「小川未明 ある男と無花果」青空文庫URL : http://bit.ly/GIukEjある男が、縁日にいって、植木をひやかしているうちに、とうとうなにか買わなければならなくなりました。そして、無花果の鉢植えを買いました。 「いつになったら、実がなるだろう。」 「来年はなります。」と、植木屋は答えました。しかしその木は、小さくありました。 男は、それを持って帰る途中夕立にあいました。 もう、そのときは、そんな木どころではありません。木などは、どうでもよかったのです。友だちの家に頼って、雨のやむまで待って、帰りには、その無花果の鉢を預けてゆきました。 幾月も、幾年もたちましたけれど、男は、忘れたものか、友だちの家へあずけた木を取りにゆきませんでした。 Bookmark |
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