Featured InstrumentsPianoInBlue, Pipes, Bass, DrumLyricsNo.749「小川未明 ラスキンの言葉」青空文庫URL : http://bit.ly/Hogk1Oもう昔となった。その頃、雑司ヶ谷の墓地を散歩した時分に、歩みを行路病者の墓の前にとゞめて、瞑想したのである。名も知れない人の小さな墓標が、夏草の繁った一隅に、朽ちかゝった頭を見せていた。あたりは、終日、しめっぽく、虫が細々とした声で鳴いている。そして、たゞ、こゝにも世上の喧轟を他にして、月日が流れていることを思わせたのであった。 Bookmark |
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