jigahouboku<自我放牧>

828

2012-06-27「太宰治 苦悩の年鑑」

from ALBUM : 「2012-0620120627 太宰治_苦悩の年鑑
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HeavyGuitar, Drums, Bass

Lyrics

No.828「太宰治 苦悩の年鑑」

青空文庫URL : http://bit.ly/LA4ozL

 時代は少しも変らないと思う。一種の、あほらしい感じである。こんなのを、馬の背中に狐が乗ってるみたいと言うのではなかろうか。
 いまは私の処女作という事になっている「思い出」という百枚ほどの小説の冒頭は、次のようになっている。
「黄昏のころ私は叔母と並んで門口に立っていた。叔母は誰かをおんぶしているらしく、ねんねこを着ていた。その時のほのぐらい街路の静けさを私は忘れずにいる。叔母は、てんしさまがお隠れになったのだ、と私に教えて、いきがみさま、と言い添えた。いきがみさま、と私も興深げに呟いたような気がする。

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