LyricsNo.469「牧野信一 熱い砂の上」青空文庫URL : http://bit.ly/iJdzYX駆け出した、とても歩いたりしてはをられなかつたから――砂が猛々しく焦けてゐて誰にも到底素足では踏み堪へられなかつた。 「熱い/\!」 「素晴しい暑さだ!」 「競争! 競争! 波打ちぎはまで――」 三人の若者と二人の娘が脱衣場から飛び出て、砂を踏んで見ると、熱さに吃驚して、ピヨン/\と跳ねあがりながら夢中で波打ちぎはを目がけて駆けて行つた。 「厭々々! 誰か――」 海老茶の水着をきた娘が悲鳴をあげた。そして我むしやらに砂を蹴つてゐた。 Bookmark |
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