LyricsNo.470「芥川龍之介 黄粱夢」青空文庫URL : http://bit.ly/m4LOAp盧生は死ぬのだと思った。目の前が暗くなって、子や孫のすすり泣く声が、だんだん遠い所へ消えてしまう。そうして、眼に見えない分銅が足の先へついてでもいるように、体が下へ下へと沈んで行く――と思うと、急にはっと何かに驚かされて、思わず眼を大きく開いた。 すると枕もとには依然として、道士の呂翁が坐っている。主人の炊いでいた黍も、未だに熟さないらしい。 Bookmark |
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