LyricsNo.476「牧野信一 眠い一日」青空文庫URL : http://bit.ly/oXtasT「電灯を点けて煙草を喫かす、喫ひ終ると再び灯りを消してスツポリと夜着を頭から引き被る――真暗だ。彼は、眼を視開いてゐた。……云ふまでもなく、何も考へてゐない。眠り度い! と希ふ心は、とうに麻痺してゐる。……時計の音ばかりが、イヤに勢急に響いて来る、――一寸快よいやうな気もする。――間もなく彼は、また慌てゝ灯りを点ける……。一種特別な疲れを覚えて、また指の先が煙草へ触れる……」 「眠い一日」といふ小説の冒頭に、彼は斯う書いた。まだ続く。――「全く同じ動作を何辺か繰返してゐるうちに、雨戸の隙間から Bookmark |
« 20110710 北原白秋_邪宗門:空に真赤な | 20110712 萩原朔太郎_蝶を夢む:蝶を夢む » |