jigahouboku<自我放牧>

522

2011-08-26「太宰治 天狗」

from ALBUM : 「2011-0820110826 太宰治_天狗
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Lyrics

No.522「太宰治 天狗」

青空文庫URL : http://bit.ly/ohOrkc

暑い時に、ふいと思い出すのは猿簑の中にある「夏の月」である。
   市中は物のにほひや夏の月    凡兆
いい句である。感覚の表現が正確である。私は漁師まちを思い出す。人によっては、神田神保町あたりを思い浮べたり、あるいは八丁堀の夜店などを思い出したり、それは、さまざまであろうが、何を思い浮べたってよい。自分の過去の或る夏の一夜が、ありありとよみがえって来るから不思議である。
猿簑は、凡兆のひとり舞台だなんていう人さえあるくらいだが、まさか、それほどでもあるまいけれど、猿簑に於いては...

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