jigahouboku<自我放牧>

648

2011-12-30「海野十三 くろがね天狗」

from ALBUM : 「2011-1220111230 海野十三_くろがね天狗
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Lyrics

No.648「海野十三 くろがね天狗」

青空文庫URL : http://bit.ly/vqZ1EQ

岡引虎松は、師走の三日をことのほか忌み嫌った。
師走の三日といえば、一年のうちに、僅か一日しかない日であるのに、虎松にとってはこれほど苦痛な日は、ほかに無かったのであった。そのわけは、旗本の国賀帯刀の前に必ず伺候しなければならぬ約束があったからである。
その年も、まちがいなく師走に入って、三日という日が来た。その頃、この江戸には夜な夜な不可解なる辻斬が現れて、まるで奉行も与力もないもののように大それた殺人をくりかえしてゆく。虎松も岡引の職分として、その辻斬犯人を探すためにたいへん忙しい思いをしていて、一日は愚か一刻さえ惜しまれるのであったが...

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