Featured InstrumentsGuitar x2, ChorusLyricsNo.674「牧野信一 嘆きの孔雀」青空文庫URL : http://bit.ly/wCkh6Q随分寒い晩でした。私は宵の中から机の前に坐つて、この間から書かうと思つてゐるものを、今晩こそは書き出さうと、一所懸命に想を凝らして居りました。――ところが余り寒いのでついペンをとる筈の指先は火鉢の上を覆ふやうになつてしまふのでありました。窓の外には目に見ゆる程な寒気の層が湖のやうに静かにたゞずむで居りました。火鉢の上に翳して暖たまつた私の眼で、硝子越しの寒い暗い光景を眺めてゐることは私のやうなものにも神秘な... Bookmark |
« 20120124 宮沢賢治_雪渡り | 20120126 原民喜_壊滅の序曲 » |