jigahouboku<自我放牧>

772

2012-05-02「佐藤垢石 みやこ鳥」

from ALBUM : 「2012-0520120502 佐藤垢石_みやこ鳥
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Featured Instruments

CrunchGuitar x2, Logan, Bass, Drums

Lyrics

No.772「佐藤垢石 みやこ鳥」

青空文庫URL : http://bit.ly/IDm6TL

 この正月の、西北の風が吹くある寒い朝、ちょっとした用事があって、両国橋を西から東へわたったことがあった。
 橋のたもとから十五、六歩足を運んだ時、ふと水の上へ眼をやった。すると、大川と神田川が合流する柳橋の龜清の石垣の下の静かな波の上に、白いものが浮いているのを見た。私は、欄干によりかかって、しばらくそれに眺め入った。白いものは、かもめであった。
 十数羽のかもめの群れは、思い思いの方へ向いて、眠ってでもいるように緩やかにうねる水にゆらゆらと揺られている。ところが、大きなかもめの群れのなかに形の小さいゆりかもめが...

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